2011/11/14

霜月もはんなり

今回は4日だけの結髪でしたがスケジュールは盛りだくさんでした。

 初日は宮の坂にあるギャラリー・シベココの『クリスマス展』へ。北欧アンティークの温かい色合いの雑貨とといつも恰好良いマダムのえり子さんに心も話もはずみます。
 素敵な品物が、デパートや他の北欧アンティークを扱うお店よりもお求めやすい価格になっています。
 この『クリスマス展』の会期は12月25日までです。お時間のある方は是非行ってみて下さい。
定休日もありますので、あらかじめ 03-5450-0446 (sibecoco@xvf.biglobe.ne.jp ) までお問い合わせをされることをお勧めします。
北欧アンティークに囲まれて気分は一足早いクリスマス!!
 そして、運が良ければ可愛いアメリカンショートヘアのたまちゃんのお出迎えがあるかも。

 2日目は鎌倉の鏑木清方美術館と鶴岡八幡宮へ。
 七五三も重なったせいか人ヒトひとの人混みにいささかぐったり~でも、日本髪を懐かしがってくれる日本髪先輩のご婦人たちともお話することが出来、とても元気をもらえる1日になりました。

太鼓橋横の男前の木の前で
  3日目は鳩山記念館へ。
 ここはなかなか面白い洋館で楽しませていただきました。


当時最先端であったビクトリアンなお部屋。オブジェの顔が心なしか。。。いえ、どう見てもおやぢ顔。

この日のバスケットは先日出来たばかりの7インチラウンドです。

着物も羽織も帯もすべて祖母と母からのお下がりです。
古い家にしっくり落ち着く着こなしになっていると思いませんか?
  本日は銀座に足袋を買いに行き、あっという間に4日間が終わってしまいました。次の結髪は年末です。
 その前に9インチトートに取り組みます。こちらもお楽しみに。

雨にもマケズ。。。霜月もはんなり日本髪

今月の日本髪は『お染』です。
江戸時代後期から15、6歳の女のの髪型なので、かなりかなり申し訳ありませんが。。。

自前の橋の毛もあることで~結わせていただきました。

そして、今回はお願いして落合先生に『みおくり』をつけていただきました♥♥♥

つとに触れるか触れないかの鬢の空間が美しい見事な結髪です
 
 結った当日は冷たい雨が降っていました。でも、冷たい雨もなんのその。
堅牢にして美しい、お気に入りの間島和傘店の赤い蛇の目ではんなり~
傘にあたる雨音も洋傘とは違い、からからと美しく、目だけではなく耳からも雨を楽しめます。

お気に入りの傘で雨の日もはんなり~
実はこの傘。中の千鳥がけが美しいのです。
 着物と日本髪と蛇の目。
 安いコストで簡単に作り上げることはできませんが、日本の伝統の技で日本の誇る財産です。
 そんな素晴らしい匠たちの技を自らの肌で感じることが出来、感無量な一日となりました。

2011/11/06

完成しました

 バスケットが自分の中から抜けない日々が続きましたが。。。
7インチ円形バスケットがようやく完成いたしました。


おぉ~い。
 
  今回、ボトムおよび蓋に使った材料は、メープル、オーク、マホガニー、ウォールナット。
 どこにどの木を配置し、ハイドケーンはどの部分を使うか、ハンドルの長さは、傷は、などなど。考えや手間暇だけでなく、作り手の意地と心意気がたっぷりつまったバスケットです。


紬のお着物のように気取りはないけれど、どこかしっとりしたイメージで作りました。
因みに、今日が初おろしでした。小雨が降っていたので、蛇の目を持って大島紬と下駄にあわせてみました。


バスケットのボトム

 Base: オーク
 Stave:メープル、オーク、マホガニー、ウォルナット
 weaver:2㎜、1.75mm、1.5㎜皮籐

フルラッチ:イチイ、柘植など

バスケットの蓋
 Stave:メープル、オーク、マホガニー、ウォルナット
 Base: バーズアイメープル
 weaver:1.25mm皮籐

Rim:メープル
Handl:オーク
knob:象牙

 ※ バスケットの大きさは7インチラウンドバスケット(円形バスケット)です。

2011/11/03

紬のようなウールのような

 紬やウールのお着物。晴れがましいお席には着ていけませんし、2番手扱いされがち。
ですがじっくり見ると味わい深いし奥が深くてため息が出ます。

 そのような美しさを表現したくて試行錯誤しているバスケット。
蓋が納得がいかない、リムを巻く色やハイドケーンの色に納得がいかない。。。などなど
編んだり解いたり、解いたり編んだり、塗ったり削ったり、削ったり塗ったり~
と一進一退を繰り返してようやくここまで辿りつきました。


斜め45度?から見たところです。
ボトムの影のような部分がバスケットの陰影を引き立てています。
上から見たところです
 あともう少しです。今回ほど情熱を抑えて制作に取り組む=冷静と客観的視点を持つ重要さを思い知らされたことはありませんでした。まさに冷静と情熱です。

 出来上がりをもう少々お待ちくださいませ。

2011/10/29

挑んで挑んで!!- 捨てないことの大切さ

 いきなりですが。。。
 バスケットの制作は研究することにとても似ていると思います。どのようにしたら、まだ、誰も作っていない斬新かつエレガントな作品を作り上げるか、始終そんなことを考えています。
そして、ひらめいたと思ったら、どんな材料で、どこをどうやって作るか計画を立てて、トライ!!
作り上げたものから、反省すべき点と今後の課題を教えてもらい、また作る。
まさに、研究だと思いませんか?

 さて、今作っているバスケット

これからさらに解きますが、その前に挿しなおすステイブの準備をします。

 3日前に蓋はできたものの、ステイブの太さ、仕上がって出た色などが全くピンと来ませんでした。蓋に使っているベースの良さも引き立っていません。明らかにStudy(最初の実験計画)が悪いです。
 なので、今日解いて新たに作り直すことにしました。

 この蓋に合う木のステイブは、ここから使いました。雑穀コーヒーの間に入っているものは、今までバスケットを作った時に出た丈の短い木や竹の切れ端です。5年くらい前からこういった小さいサイズの木や竹などをこの缶に入れています。
自分の出番をまつ様々な種類や長さの木や竹たち。
 
 断捨離などとは全く対極にある行為ですが、捨ててしまいがちなもが私に色々なことを教えてくれます。捨てない大切さもあるのではないかな~と思います。

 さてさて、また制作に取り組みますか。。。

2011/10/17

神無月もはんなり

 10月7日~11日までローランサンヒロの落合先生に日本髪を結っていただきました。

 今回は『鴛鴦(雄)』です。わずか4日の結髪ですが、気候も日本髪にやさしく、はんなり過ごさせていただきました。



亀次郎の『小栗判官』を見たり


山種美術館の『知られざる歌舞伎座の名画』を見に行ったり
(因みに、美術館そばのイタリアンのお店でランチをしている図です)。


ホームパーティをしたり。↑大和撫子もとい日本母風


それでもって、普段食べないおでんなんか作ってみたり
↑大和撫子っぷりをアピールしているわけではありません。


 4日間をフルに楽しませていただきました。
 そして、バスケットを作る上で大切なことを再認識させていただきました。 

2011/10/16

挑んで、挑んで!

 買ったばかりのオークのベース。ここからこのベースのよさを引き出します。

 色を塗って、木目を引き出します。
 どうです?ベースは木目のよさが出てきたと思いませんか?

 今回、バスケットのボトムは、メープルをメインにオーク、ウォルナット、マホガニーを挿しています。

 私も含めバスケットを編む方々は、自分自身の編んでいるバスケットを白いバスケットとか黒いバスケットとカテゴライズしています。
 昨年くらいから、白ってなんなんだろう?黒って何を挿して黒なんだろう?疑問がわき起こってきました。

 そして、白だから白い色の木だけ使う、黒だから黒っぽい物だけ挿すことでいいのだろうか?一体、白とか黒のバスケットて何を基準に言っているのだろう?、 更に、白いバスケットだからオークやメープルを、黒っぽいバスケットだから黒っぽい木だけを使うという、そんな安易な姿に疑問を感じはじめるようになりました。
 
 絵画のバラの赤い花びらの中に黒が混じっているように、バスケットももっと自由でいいのではないかしら?そう思いませんか

 白とか黒とか茶色とかそんな枠を取り払ったバスケットを作りたい。従来のバスケットに挑む気持ちで作っているバスケットがこれです。



 いかがでしょうか?挑んでいる感じすますでしょう。
 
 

2011/09/12

本日は打ち合わせでした

美しいマダムによく似合います

 新しいオーダーをして下さったマダムとランチをしながらどんなバスケットにするか~などの打ち合わせをしました。

 既に2つ(7インチラウンド、7インチオーバル)ナンタケットバスケットを所有されているので、今回は、趣向を変えて少し大きめで気楽に持つことが出来るものをご希望になられました。

 そして、今回は蓋つきの9インチのトートバッグに決まりました。

 とてもバスケットを愛して下さるマダムです。気持ちを込めて作らせていただきます。どんなバスケットが出来上がるか楽しみにお待ちくださいませ。
 

2011/09/11

雨が降ろうが風が吹こうがいつだってはんなり?日本髪―休日は盛りだくさん

 タイトルの通り、関西方面にそれたとは言え、暴風吹きすさぶ台風真っ只中9月3日~7日まで日本髪を結いました。休日、京鬢日本髪ですごすのが定着しています。
 今回結ったのは『お俊』という髪型。割り島田に橋をかけたもの。割り島田からのぞく赤い手絡がとても可愛いです。今回もローランサンヒロの落合先生に結っていただきました。

 今回も初日は新橋演舞場、秀山祭9月大歌舞伎に行きました。開演前まで時間があったので、ホール裏側の神社でお参りを~
 
 欧米人が演じるところのオペラが3D(立体)なら、日本人が演じる歌舞伎の舞台は浮世絵同様みごとに2D(平面)の世界だなぁ~と見るたびに心地の良い文化や表現の違いを感じさせられます。
 公演が終わったのは夜8時30分。お腹もペコペコです。
はてさて~どうやって頼めばよいのだろう。。。
 今回は、初めてのお好み焼きともんじゃ焼きをいただきました。他のお店でも食べないと理解できないなと思いました。


 翌々日は暴風に乱れてしまった鬢をなでつけに行った後、お友達のロミさんといつもの近所のカフェでお茶をいたしました。
 この日持参しているのは新作バスケット。納品前に必ず使い勝手をチェックして、不都合があれば調整を行っています。
 今回のバスケットは、とてもきれいな雰囲気を持つバスケットになりました。キーホルダーをハンドルにくくる方が多いので、ほんの少々ですが蓋と本体の間に隙間を作りました。
 
 さらに次の日は、タイレストランでランチをした後、『空海と密教美術展』へ~

幻想的な雰囲気?
 勢い込んで美術館に行ったものの、この日は平日にもかかわらず、入館まで30分待ちとのこと。
とても待てないので、表参道の太田美術館の『江戸のパワースポット』展へ。平成の今も江戸時代の昔もパワースポットが好きだなんて、日本人は変わらないんだなぁ~と感動してしまいました。

 そして連休最終日は、最終日にふさわしくバスケットの納品です。納品場所は今回2度目となる五反田おはらスレストランです。お蔭様で今回のバスケットもマダムはとても気に入って下さいました。

この日は納品日。気張って金糸の袋帯です。
  因みに、バスケット制作の前に、オーダーを下さった方と必ず会うことにしています。
 それは、その人にどんなバスケットが似合うかを見るとか、生活のスタイルや好みを探るのは勿論なのですが、お会いすることで、私の中にあるバスケット制作のチューナーをオーダー主さまにチューニングするという大きな目的があります。
なので、出来上がったバスケットはオーダーを下さった方が一番似合うように仕上がっています。
 こんな制作スタイルですが、末永くよろしくお願いいたします。



日本髪は三つ指をついて頭を下げた時が一番美しいのでは?
  

2011/08/16

お薬とサプリメント

ナンタケットバスケットはお薬です。
 7インチラウンドと7インチオーバルのリムを1組づつ作りました。
 因みにどんな作業をするかというと。。。

ぐつぐつに立ったお鍋でリムを茹でて~

 
リムがアツアツのうちに鉋でけづります
ふたのモールドに巻きつけて1週間ほど乾燥させます

  顔からは汗はかかないのですが、さすがにこの作業をキッチンで行うと額から汗がじんわり滲みました。
 これらのリムがバスケットのふちとなりバスケットの形を決める要になります。なので、リム作りはとても重要。本日のリムの成形も丁寧に行いました。

 日本は栄養補助食品(サプリメントです)。
 新しく加わった日本髪のお道具とつまみのお花のご紹介いたします(今までのお道具はこちら)。
 

どれも美しいので見ているだけで嬉しくなります

 ナンタケットバスケットは幸せを運び人を癒すお薬のようなものだと思っています。そして、日本髪は日本人として心に潤いと活力を与える栄養補助食品のようなものだと信じています。

 大切な2つを本日はできて元気百倍です。

2011/08/15

日本髪は補助栄養食品(サプリメント)!!です。

 昨日14日。今年の夏は特に暑いので、かき氷でも食べに行こうという話になり、日比谷の虎屋さんへ。
 アンティークモール、そして、お香屋さんを巡った後いただくかき氷は、湯気が出そうに暑い体を心地よく冷やしてくれます。

 
この日の虎屋さんはとても混んでいました。
 
 私が日本髪を結うのにも慣れているお友達。知らない人から私が「色々話しかけらると
「彼女はいつも日本髪です~」、「この髪は日本髪を結う美容室で結っていますが、自分でも結おうとしています。」などなどシチュエーションにあわせて適切な回答をしてくれます。

 今回もたくさんの方とお話をすることができた日本髪を今日解きました(涙、涙)。落合先生のお蔭でほとんど乱れ知らずに過ごすことが出来たので、見目麗しい、中身も充実した結髪体験となりました。

 勿論、次の結髪の予定はすでに入れています。次回は仰向けではなく、横向きで眠れるのもトライしてみます。

 日本髪は私のサプリメント。いつまでも結えるよう頑張るぞ~

2011/08/13

結ってしっとり日本髪ー本日は自宅で

 本日、ようやく蓋が編みあがりました。今回の蓋部分にはメープルを使っています。
 最近、好みのメープルに出会えなかったのでうが、久しぶりに気に入った木目に出会いました。

あまりいい模様に映っていませんが。。。素敵な木目なんです(涙)


 まだ、未完成ですが蓋の部分を底の上に載せてみました~

 
 なんだか河童みたいですが、ご心配なく。リムをつければ格好良くなりますので、もう少しお待ちください。

2011/08/12

結ってしっとり日本髪ーお出かけ初めて編

 目黒雅叙園にお出かけしました。近くにあるのに今まで行ったことがありませんでした。

天井の1枚。丸髷とねこ。丸髷かぁ~
まだまだ未婚の髪型いっぱいやりたいです。

 雅叙園のお庭で。
 実に水辺の涼しげな1枚ですが、実際は。。。すごい湿気と生臭い匂いでした。。。。

大奥気分で池の鯉を集めてみました。

 「滝の裏が見えるよ~」との一言。狭いお庭だし散策してみようと歩き始めると。。。
この登りのキビシさ、青梅の櫛かんざし美術館を思い出させます。。。

 急な斜面を登ったり、降りたりしながらようやく滝の裏側へ。ちっとも涼しくありません。
むしろ蒸し暑いです。

垂れ下がっている枯れた草が鬢みのみたいです。。。
 それから、ちどりがけの美しい傘の下で休憩です。
あおぐ風も暑いです~

 雅叙園の後は、こちらも初体験のはなまるうどんできつねうどんをいただきました。


きつねうどんに半熟卵のてんぷらを乗せ、たっぷりのしょうがとごまをトッピングして400円弱とは!!
 
 さらに、チョコレートアイスとチョコレートのシュークリームをお気に入りのお店でいただきます。ここからは4コマ漫画としてお楽しみ下さい。
  

満面の笑みです(川越スマイルではありません)。

シュークリームは半分に切ってからいただきます~満面の笑顔

ほぉ~美しい断面ですね~いただきます
日本人の繊細な精神が洋菓子に表現されています。
小さいお菓子に大きな宇宙を見た気がします。
↑ 偉そうにうんちくをたれてみました。


 結ってしっとり日本髪ですが、この日もとても暑く(渋谷では鉄道のレールから煙が出たとかでないとか。。。)しっとりというより、じっとりな1日でした。でも、初めてのところにも行けたし、実りの多い1日となりました。

2011/08/11

結ってしっとり日本髪


こちらはご近所の和食屋さん『いま井』です。
  夏休みになりましたので、日本髪をローランサンヒロの落合先生に結っていただきました。
今回は水車という髪型です。

 ありがたいことに、母のお友達がご自身の日程が合わず歌舞伎のチケットを下さいましたので、日本髪で母と歌舞伎見物に行かせていただきました。

 久しぶりに見る歌舞伎、役者さんに見とれたり、大いに笑ったり、季節柄ちょっとゾクゾクとしたりと、大いに堪能させていただきました。ありがたい夏のプレゼントに大感謝です。
 

 そうそう、これが『水車』です。
結いたての乱れなし櫛目麗しの後ろ姿です。
 
 落合先生曰く、水車は髷の上にある橋の毛がくいっと上を向いている形状が、水車を連想させることよりそういわれるそうです。くいとしたところもツボですし、落合先生の手から作り出されたしっとりとした雰囲気の作品に、今回もにっこり大満足の結髪となりました。
 くどいようですが、少しつんとがった鬢の先、つとカーブ美しいですよね。京鬢萌え~です。




 因みに。。。
 赤い前髪のくくりは母が子供のころ七五三で使ったしごきを崩したもの。
 髷に巻いている鹿の子の手絡は母が昔使っていた帯揚げを崩したもの。
 髷にさしている笄は、お友達のおばあ様の形見。
 櫛は、リバティハウスの方からいただいたもの。
 帯はマダム・エリコからいただいたもの。
 着物は大叔母の形見。
と、色々な方のお蔭で楽しい着物ライフを送れることに感謝の念を禁じえません。
  ↑
 でも、寄せ集めじゃん~なんていわないね。今回使った鬢張、鬢蓑、前髪のソエは自前です。

2011/08/07

朝練の報告

 先週から4時前に起きて編んでいる朝練ならぬ“朝バスケット”。

1週間前から始めて


ようやくここまで来ました。


 マダムのイメージにあわせて、ケーンの本数もいつもより多く挿しました。先週お会いして、やる気みちみち!!楽しみにお待ちください。