2009/05/24

編むこと‐2.初めての経験

 Basketは使う材料で、出来上がりの見え方が違います。

 木で作れば重みのある仕上がりに、竹で作れば軽やかな仕上がりなります。つまり、木は、お着物で言えば正装で着る留袖や訪問着、フレンチで言えば、クリームもバターもふんだんに使った味の濃いもの。一方、竹は普段使いできる紬、ヌーベルキュイジーヌってな感じです(何となくの感覚でとらえて下さい)。

 見え方が違えば、使う材が違う。使う素材が違えは、当然お値段に違いが出ます(これ、納得できますよね?) 

 最近、作品の進みが遅いし、『大変なんだから~』という言葉が増えているという指摘がありました。全く、気がついていませんでした。私…そして、指摘してくれた友人さんごめんなさい、それでもってありがとう。 

 そこで、今回、何故こんな風になったか整理してみました。

 今回オーダーされた14inch Basket 、自分が『こうした方がこのBasketは美しい!!エレガント!!』と言う思いがオーダーされた方の意向を上回ってしまったからです。こんな思いに囚われるのは初めてです。「プロなら言われた通りに作る!」、とばかり、どうしたら自分の思いを逸らせて作り上げられるか、試していました。でも、結果として上手くいきませんでした(ため息…)。体の疲れなら平気なのですが、心の葛藤は本当にしんどいものです(はたまた、ため息…)。 でも、これに気づくか気づかないかで、今後の方針が変わってくると思います。なので、気づくことが出来てとてもよかった!です。


 
 本日のドルチェは、またまたバーボンソースで頂くブレッドプディングです(これは昔、Emy'sで習ったもの)。
 編みかけのBasketをテーブルの端に押しやって休憩です。「淡白な味だけど、軟らかいふるふるのプリンに濃厚なバーボンソースが絡まって、何とも言えない味のハーモニーをかもし出しているわ~。本当に、このハーモニー、何度いただいても美味しいわ~」なんて、美味しんぼに登場する栗田女性記者みたいなセリフを1人ごちてしまいますが・・・このソース、本当に大人味で美味しいです(見た目以上に美味しいですよ)。

 甘いものを口にして不幸ではいられません。悩むときは悩む、でも、同じ悩みはしないように前向きに対策を立てて変更していけばいい!なんて、のんびりした気持ちになりました。


  この苦しんだBasket、どんなものになるのか、何を生み出してくれるのか、とても楽しみです。