2008/12/14

Base-本当に豊かなものについて考える

 ”楽しく心豊かな暮らし”を暗中模索することがこのブログのコンセプトの一つに掲げられていますが、まさにそれを考える機会がありました。

 2つのNantucket Basket (4-3/4 inch と 7 inch)の前に置いた茶色のBase は、あるアーティストが作ったもの。 「その木で遊びたい。いらないBase1枚くれない?」と言うので渡すと、暫く縦にしたり横にしたり、くるくる回したり、楽しそうに眺めていました。そうして、1時間もしないうちにその辺にある道具で、左記の作品を作り上げてしまいました。


 件のアーティスト曰く、夜の空に雲が流れ月と星が輝いているのをイメージしたそうです。いとも簡単に1つの作品を作ってしまったことに、目からウロコでしたし衝撃でした。1枚わずか31.4cm2のBaseからは、美しいとかそうでないとかを越え、見る人を吸い込むような世界が広がっていて、吸い込まれないように私は思わず足を踏ん張ってしまいました。

 その晩、久しぶりに夜の空を眺めました(仕事の忙しさに取り紛れて空を見ることすら忘れていました)。私がBasketを作る時は、『少しでもきれいに見せたい』それだけしか考えていなくて、誰かに何かを伝えよう、自分の世界を作ろうなんてこれっぽっちも考えたことがありませんでした。そして、とみに最近はBasket作りに慣れてきて、「私出来る」とばかりに高い材料、オーダーした装飾品を使ってさえいれば自分のオリジナリティが出せると鷹をくくっていたこと、などなど・・・自分の未熟な姿をまざまざと見せられた感じでした(い、痛いです・・・) 。

 クオリティの高い物を使えば簡単にそれなりのものが出来るけれど、それってとても安直(インスタント)なこと。その場にあるもので、自分の腕で何かを作ってみよう-そういう気概が先ずは何よりも必要なこと、そして、それが物を作る醍醐味ひいては本当に豊かな発想なのだろうなって感じました。

 でも、「さて、これから何をするのか楽しみ~」なんて楽しげに云われても悔しいかな、今の私は裏返しの亀みたいにじたばたした状態。でも、既に、そんなところから組み立てていくのも、また一興~と思ったりも・・・あと、どれくらい私は自分の概念“思い込み“を取捨選択していくのかな? 怖いような楽しみなようなフクザツ~な気持ちです。

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